※ネタバレ要素がありますので、クリアされてからご覧になることをおすすめします。
萬城トモセ(CV:鈴村健一)
主人公ヒヨリの幼なじみで、一つ年下。
ヒヨリに告白の途中で「アルカディア」に連れて来られるわ、いきなりの配信ドラマでヒヨリとキャストに選ばれキスシーンがあるわで、彼にとっては波乱の幕開けとなった初日。
キスシーンの後「ごめん」とヒヨリにメールしたのは、不意をつく形になったから。
でも次のドラマが同じ内容なら同じ事をすると言い切るあたり、後悔はしていないよう。
ただし相手がヒヨリなら、と条件付き。
ただそれがきっかけで彼女に避けらるようになって可哀想。。
それでもヒヨリを守ると言い切るトモセには、どこか危うげな印象を抱きました。。
そんなトモセは、普段は割とつっけんどんのくせにヒヨリに対しては常に気を遣っていて、ディレクターのご褒美には、何とヒヨリの欲しがっていた風呂をリクエスト。
ヒヨリがお礼を言うと、俺が入りたかったとツンデレの返事。
この素直でない気遣いがたまらないですね。
しかし一瞬で風呂ができたり、着替させられたり、物理法則無視の世界には、マトリックスの世界かと思ってしまいます。
それに明瀬曰く、トモセはヒヨリの強力なホームセキュリティ。
ヒヨリの周囲に対するガードが固いくせに、彼女にお礼を言われて照れるのが可愛い。
だからこそヒヨリが罰ゲームで声を失ったのは彼も相当ショックだったろうし、もう危険な賭けには乗りたくない気持ちも理解出来るけど、本当に皆が言うように過保護の域を超えているなと。
もし他のキャストがヒヨリとキスシーンとかそれ以上のことがあったら、飛び入りしてでも阻止しかねないかも。
そんなトモセはこの世界に残りたいと思っている様子。
ここなら、ヒヨリと対等だから。
彼なら演技でポイントを稼げるし、それをヒヨリのために使うことも出来る。
ヒヨリとの恋愛ドラマなら、それこそ・・・。
でもそこには彼女の気持ちが考慮されてないんですよね。
いくら彼女の為とはいえ、何となく不器用さを感じてしまいます。
そしてトモセを苦しめる「大切な幼なじみ」というフレーズ。
ヒヨリだってここまであからさまな態度を取られたら、普通気付かない訳がない。
でもそれを認めてしまったら、もう前のような時間は過ごせないから。
トモセは現状維持を望む彼女の気持ちを分かっているし、今焦ってヒヨリの答えを引き出してもダメだとわかってるから無理強いはしないけど。。
何だか焦れったくて、トモセが不憫になりました。。
トモセが帰りたくないと思う気持ちとヒヨリを大切に想う気持ちは本物で、ヒヨリもそれは十分に理解しているのに、肝心な所で心がすれ違ってしまう。
ヒヨリだってこんな状況で答えを出したくないんでしょうし。
幼なじみの恋愛って甘酸っぱいけど焦れったくて、特にこの二人はどう決着をつけるのか気になりました。
そんなトモセが、ヒヨリから急に「トモくん」と呼ばれた時の反応が、たまらなく可愛かった。
それに、ヒヨリから一緒に散歩に誘われたときの喜びようが、まるでワンコのよう(笑)。
こういう一面もあるから憎めないんですよね。
また、新たに発覚した、スポンサーと呼ばれる2人目の裏切り者情報。
プロデューサーの狂信者らしいのですが。。
益々犯人捜しが面白くなってきました。
そして個別ルート。
順調にポイントをため続けるヒヨリ達。
このまま無事に帰れればトモセとの関係も元に戻るなんて、ずいぶん調子の良い考えだなと思ってたのですが。。
トモセの気持ちは、ヒヨリには既にわかっていた事なんですよね。
心地良い今を手放したくないし、トモセに恋なんて考えたこともないから、だから答えを引き延ばして。
でもトモセはそれじゃ我慢できない。
そうしてトモセの出した結論は、多少歪みはあるものの、彼の気持ちもわかるだけに妥当かなと思ってしまいました。
彼を男としてみるなら帰還に協力するけれど、そうじゃないならこのままここでヒヨリとドラマを演じ続ける。
彼にとっては本当にヒヨリが全てで、それ以外はどうでもいんですね。
その結果、他の人に迷惑をかけることになっても・・・。
元の世界でヒヨリが誰かのものになるよりも、こっちの方がマシなんです。
流石にここまでくると、ヒヨリの気持ちも理解できます。
周りのことを考えられない人を好きになんてなれない。
例えトモセが自分を一番に考えてくれていたとしても。
今のトモセは何かが違うと考えるヒヨリ。
う〜ん。こじれてますねぇ。
でも、だからってトモセがスポンサーと考えるなんて、ちょっと飛躍し過ぎでは?とも思いましたが。。
そしてそれを本人に聞いちゃうなんて、ダメでしょ。
これじゃ、トモセだって傷つきますよ。。
「どうすれば俺を信じてくれたんだ」なんて切なくて、いつもの強気の彼の発言とは思えない。
とはいえ、双巳と凝部がいる前でキスするトモセもトモセ。
二人の気持ちがどんどんすれ違っていく様子がまるでガラスに入った亀裂のようで、見ていられなかったです。
ただ、からかう凝部に呆れた双巳の言葉が、呆れ気味で面白かったですけど。
そんな状況で訪れた、ヒヨリとトモセが恋人役のドラマ。
覚悟を決めたヒヨリの取った行動は、非情にも罰ゲームにより、今度は感情を失うことに。
それでもトモセが救いに来てくれるヒーローと信じていたヒヨリが凛々しかった。
ヒヨリの覚悟が生半可なものではないのは明らかだからこそ、トモセがどういう行動を示すのか興味がありました。
子供の頃の他愛ない約束でヒーローが出来る役者を目指したトモセですが、無口な彼が普段から演技をしていたというのが意外。
でもヒヨリだけは本音で話せるし、その時間が好きで幸せだったと話す彼の、今本当に欲しいものは、ヒヨリの心からの笑顔。
もう、あの焦った余裕のないトモセがどこかに消えて、おそらく本当の彼の姿が現れた瞬間だったんでしょうね。
そしてトモセとディレクターとの取引で、感情の戻ったヒヨリですが、その代償は明らかに危険なもの。
それだけトモセも覚悟を決めたんでしょう。
ヒヨリしか信じないと公言していた彼が、皆に頭を下げて協力をお願いするくらいですから。
そんな彼をヒヨリも改めて理解し、トモセに抱きついたシーンは泣けました。
だってあのトモセが皆に茶化されながらも泣いてるんですから。
まるで憑物が落ちたような、相手の気持ちを尊重する男前に変身。
そしてトモセが打って出た最後の大勝負は「シャレードゲーム」。
真剣に演技をするトモセを見て、やっと自分の本当の気持ちに気付いたヒヨリ。
ようやく幼なじみという鎖を断ち切ってこれからトモセと共に歩いていける。
そう思ったのも束の間、ゲームに勝ったのに、ディレクターはやっぱりそう簡単に条件を飲むはずもなく。。
本当に汚い。
まあ簡単に人間を消すことも厭わない人達ですから。
でもあのトモセが、誰も犠牲に出来ないと言うなんて。
随分短期間で成長したもんだと思っていたら、何と凝部が残ると言い出して。
いや、彼は確かにそんな事言ってたけど。
でもやり残したことって一体?
結局トモセとヒヨリも帰れることになったけど、トモセの飛び入り参加のドラマの本音を聞いてちょっと意外でしたね。
ただの邪魔かと思っていたけど、彼にもそんなプライドもあったんだと。
また、ヒヨリに好きになってもらえるように全部やり直すなんて、何だか随分格好良くなったなと感慨深かったです。
帰ってからの、二人の「やり直し」はとても爽やかで、異世界に連れ去られる前の告白よりも、また異世界での告白よりも素敵な告白でした。
ただプロデューサーやスポンサーについては謎のまま。
これはこれで物足りないですね。
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