※ネタバレ要素がありますので、読まれる際はくれぐれもご注意ください。
佐藤忠信(CV:小西克幸)
明るくおおらかで、ムードメーカー的な存在。
継信の弟で泣きぼくろの位置が逆。
知盛からからくも逃げ出し、敵と勘違いされて忠信と戦いになるというハプニングが起きたものの、平泉では平穏に暮らしていた遮那王達。
そんな遮那王たちが白鳥の柵の巡視に同行すると、惚れっぽい忠信が町娘に振られて落ち込みながらも「女の子が大好きだ!」と叫ぶのには笑いました。
玉砕ばかりの忠信が、今度は遮那王が可愛いだの真面目だの良いところをいくらでも言ってくる(笑)。
皆で忠信に忠告してもどこ吹く風。
かと思えば直ぐに立ち直り、蝦夷が出たと聞けばその責任感や判断力は的確で頼もしい。
それに、自分の使命や目的も見いだせないと弱音を吐く遮那王に、今は寄り道の時間だと快活で前向きな忠信の励ましはとても温かく心に響きます。
おまけに遮那王に一目惚れとか言うし(笑)。
屈託ない忠信に好感が持てました。
ところが義経と忠信が蝦夷の村に誘い込まれ、長から聞いた窮状はとても厳しいもの…。
外の人間である義経に一縷の希望を託し、戦いたくないと、土地を与えてくれと請う蝦夷には、似たような境遇として義経にも思う所があったのでしょう。
お互いの言葉に影響されて、ただの敵だった蝦夷の話を聞いてくれた彼と、民を救いたいという純粋な彼女に感謝ですね。
そして蝦夷に与えられた釜石は未開の土地なのに、蝦夷が喜んで遮那王達と協力して開拓していくのがどこか嬉しい。
中でも忠信は蝦夷たちと打ち解け気持ちが良い。
ですが遮那王が無理をしすぎたのか打ち身を負ってしまい、気を遣った蝦夷が教えてくれた温泉を有難く使わせてもらうと、そこに彼女を心配した忠信が!
当然女だとバレますが、彼の慌てようが面白くて、ここのスチルは私のお気に入りです(笑)。
彼の謝る姿は潔く、そして彼女が女だということは誰にも言わないと約束してくれて、その実直さが好ましい。
ところが、それからの忠信が「女」や「可愛い」という言葉に過剰に反応したり、遮那王が重いものを持とうとすると代わったり、とにかく挙動が不自然に。
彼の素直すぎる性格のせいで態度にでてしまうとは、思わぬ誤算。
そこに春玄も駆けつけ、何故男の振りをしているのかを忠信に説明します。
彼女の境遇に同情する忠信は優しい。
でも男として扱う事には納得していないけど努力すると約束してくれて。
ただやっぱり意識して落ち着かなくなるのは、性格だからしかたない。
春玄と弁慶がその都度フォローしますが、気苦労が絶えませんね。
漸く蝦夷たちの家が完成した頃、秀衡からの使者から、頼朝が挙兵し遮那王に会いに高綱がやって来ていたことを知り愕然とする遮那王達。
蝦夷の監視役の兵士が、自分達の勝手な都合でこの事を義経に黙っていた為に、彼女が平泉を選んだと誤解された、高綱は帰ってしまっていたんですね…。
遮那王は頼朝に参陣することを選びますが、反対したのは言うまでもなく忠信。
でも平家に苦しめられた人々を助ける為に戦うという彼女の決意は固い。
そんな遮那王に謝罪する忠信は実直で、だからこ尊敬する遮那王を助け、共に苦しむ人を救いたいと同行してくれます。
漸く頼朝と対面した義経ですが、その態度は冷ややか。
おまけに景時の嫌味には怒りを覚えますが、高綱がとりなしてくれて癒されます。
そして平家討伐を待つ間、忠信の案により総当たり戦を行うのですが、褒美は義経に願いを聞いてもらうこと。
忠信が背中を流してもらうだの、膝枕してもらうだの邪な願いを言うと、もちろん春玄達は阻止しようとしますが、忠信の執念に負けてしまう(笑)。
すると意外なことに彼の願いは、一日義経と出かけること。
善は急げと、気の乗らない彼女を連れてきたのは何と鞍馬。
覚日と会ったことで義経の心が軽くなり、漸く笑顔を見せたことを喜ぶ忠信の狙いは最初からこれだったのしょうね。
その気持ちが嬉しいし、忠信の気遣いがいつも義経に安らぎをくれる。
ただ、忠信が以前女の子の奇麗な手が好きだと言ったことに、自分の手を恥じる義経がいじらしくて。
こんな奇麗な手を他には知らないと、甲に口づけをして大好きだと告げる忠信が男らしく素敵でした。
そして男として生きる義経も女の子としての義経もどちらも支えたいから、彼女を守らせてくれという忠信がとても頼もしく素直な彼らしい。
お互いの距離が縮まって、義経の心に芽生えた初めての気持ちを大事にして欲しいと願ってしまいます。
それに知盛のことを忠信に話すと、忠信にしては珍しく、知盛を許せないと激情を露わにして険しい。
知盛からも守ると言ってくれるけど、彼は強いよ…。
そして一ノ谷での生田森で、義経は知盛と遭遇し戦うもやはり奴は強い。
そこに忠信が参戦し、相手が知盛だと知ると更に闘志が湧き上がるものの、力を使った知盛には敵わない。
傷だらけになりながらも義経を守ろうとする忠信が、知盛に嫉妬を指摘されますが、知盛の言い方がひどい…。
そしてとどめを刺そうとした知盛に、力を開放する義経が凛々しいけれども結局やられてしまう。
そこに景時の搦手軍が到着し、更に強くなった彼女と戦いたいと言うようなことを言って去って行った知盛。
知盛の言葉は、相変わらず遠回しすぎるというか変態というか(笑)。
ひどい傷を負いながら何とか助かった義経は忠信に手当をされますが、無防備に肌をさらすことが嫌ではないどころか、何もかも委ねられ安心できるのは、それだけ彼に心を許しているからでしょうね。
一方忠信は、義経に傷を負わせた知盛が許せず、彼女を守れなかったと自分を責める姿が悔しそうで胸が締め付けられる。
そして忠信は、知盛に言われた嫉妬しているという言葉を否定できなかったと認め、一人の女性として義経が大切な人だと告げますが、こんな傷を負ってまで戦う彼女が可哀想だと悲しげな顔をする。
どうすれば義経を全てから守ることが出来るのかと嘆く彼に、何も言えない彼女がやるせなかった…。
そこにタイミング悪く頼朝が現れ、傷の手当てを見て女だとバレますが、事情を聴いて不問に処すにはほっとしました。
ただ女としての役割を果たせとは、冷酷な彼らしい。
政略結婚。
義経が最も危惧していたもので、忠信と一緒に必死で説得しますが、頼朝が聞くわけもなく。
義経の尊厳を奪おうとする頼朝も知盛も、そして自分も許せない忠信は遣り切れないでしょうね…。
また義経も、彼の笑顔が好きなのに悲しませてしまうと謝る姿に胸が痛い。
そんな彼女を優しく抱きしめる忠信。
二人が切なくて仕方ありませんでした。
傷が癒えた義経が頼朝に呼び出されたのは、源氏の役に立つため公家と結婚しろという命令。
しかも壇ノ浦の戦いには出なくてもよいとは、知盛は残念がるでしょうね。
仲間にそのことを話す際、継信だけが彼女の秘密を知らなかったのですが、分かり易い忠信のおかげで気付いていたようで、そのやり取りは和みました。
そして皆で義経を心配し断りに行こうと言ってくれる仲間たちの気持ちに胸がいっぱいになる。
ただ彼女の気持ちを察すると遣り切れないですね…。
そうして頼朝たちは壇ノ浦の戦いへ。
残された義経は、今後の事を思い、忠信にずっと側にいて欲しいと願ってしまう一方で、政略結婚させられる自分を見られたくないというジレンマを抱えていて胸が痛くて辛い…。
そこに義経と話がしたいと忠信がやってきて、自分を納得させるような嫁ぐ覚悟を彼女から聞くと「もういい」と一言。
義経が嘘を吐いているのを見抜いていた忠信は、源氏から彼女を奪い去る覚悟を決めていて。
「あたなを攫ってもいいか」と尋ねる忠信の真剣な眼差しに、男としての覚悟と情熱を感じました。
真面目な彼女が、自分から逃げるなんて言えるわけがないのをわかっていて、攫うと告げる忠信が男前で格好良かった。
とめどなく流れる涙のまま、忠信に抱き着き「私を奪ってくれ」と本心を告げる義経が健気で切ない。
でも彼の胸の中で本心を伝えて、漸く忠信が好きだと気付いたのは良かったです。
そうして平泉へ逃げ出す義経達。
手を貸す仲間たちの想いが有難くて、その思いやりや気遣いに泣けました。
壇ノ浦の戦いで平家は滅びますが、知盛は重衡と義経を探しに行くことに。
ここで諦める彼らじゃないですからね…。
当然義経が逃げたことに気付いた頼朝も、軍を編成して逆賊の盗伐に平泉へ。
そして平泉についた義経は秀衡に本当の事を打ち明けます。
義経も忠信も、自分達のせいで平泉を危険にさらすことに罪悪感を抱きながら、でも彼はどうしても彼女を救いたい。
すると秀衡は義経も平泉も傷付けさせないと。
秀衡にとって義経も忠信も大切な存在だと、本当に懐が深く素晴らしい為人で胸が熱い。
明神峠での会合の如何によって、戦になるかもしれない緊張感の中、話をする義経と忠信。
そこでお互いがお互いを好きだと伝え、気持ちが通じあう様はとても温かく、だからこそ相手の幸せを願わずにはいられない。
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忠信の「あなただけは幸せになって欲しい」という言葉に、自分だけ幸せにはなれないと答えるのは義経らしいですね。
自分達の選択を後悔しない為にも、戦いになれば皆を守るために戦うと誓う二人ですが、忠信は「自分に出来ることをやってみる」と黙って陣を抜け出してしまい、胸騒ぎが止まらない義経。
そんな時に知盛と重衡が侵入してくるとは間が悪い。
でも平泉に義経の居場所はないと言う知盛の発言は確かに正論で、義経も何も言えなくなってしまう…。
ただ秀衡たちは彼女を渡すつもりはないときっぱり言い切ってくれる。
そうして知盛と戦う義経は凛々しく勇ましい。
けれど力を使う知盛と重衡に敵う訳はなく、義経に知盛の手がかかりそうな瞬間に現れたのは忠信。
そして援軍に頼朝たちまで連れてくるとは。
その上蝦夷たちまで加勢してくれて。
源氏と平泉と蝦夷が手を組み、平家の残党を討ち取るために手を組んだのには、胸に熱いものがこみ上げました。
これにはさすがの知盛も気を削がれたようで一旦引きますが、どこへ逃げようと義経を追い続けるという執着が不穏で腹立たしい。
そして忠信が消えたのは、義経と平泉を守るために自分の首を引き換えに、頼朝に軍を引いて欲しいと嘆願したからだったとは…。
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また頼朝の目的は、武士による新たな統治を確立すること。
源氏の姫を攫った逆賊討伐という大義名分があれば、守護地頭を置き源氏の力を各地に伸ばすことができるとは、流石頼朝です。
でもその為には、義経と忠信は逃げ続けなければならない。
終わりのない逃亡劇に不安な義経に、忠信は逆に逃げつつければ義経と平泉を守れると、どこまでも前向きで彼らしい。
何があっても義経を守ると言う忠信は、この逃亡を「ただの旅」だと言い換え、いつもまでもどこまでも一緒だと。
それは義経の不安を取り除き、希望で照らしてくれる。
本当に忠信の明るさには救われます。
秀衡の手配で宋に渡って数か月。
今までの戦装束とは違い普通の格好が似合っていて、私はこちらの方が好きかな。
意外なのは忠信が宋の言葉を話せること。
流石平泉ですが、忠信がよく勉強したな(笑)。
夜になると思い出すのは仲間の事。
本当に気持ちの良い仲間たちとの別れのシーンは涙を誘います。
それに義経は、忠信を平泉から引き離したことを申し訳なく思う気持が強い。
でも彼は、今の暮らしが楽しくて何より義経が側にいるのが重要だと明るく言い放つ。
そしてものすごく幸せだという忠信に、同じだと答え彼に抱き着く彼女が可憐で可愛い。
二人で抱き合いながら、義経が可愛い、可愛くないと言いあう二人が微笑ましかった。
もう一人にしないで欲しいとお願いをする義経に、約束をしてくれる忠信が彼女に口づけをして…。
初めての口づけは、二人とも真っ赤で初々しいです。
お互い愛していると告げる二人は、これからも色んなことを経験しながら長い人生の旅を楽しんで欲しいですね。
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※道導の「忠信五章・二」で、好感度「低」からでも見られます。
忠信の「この先どんなことがあっても、あなただけは幸せになって欲しい」という言葉に、「ずっと側にいてくれ。そしてお前も幸せになってくれ」と答える義経。
彼さえ側にいてくれたら何も怖くはないと伝える義経に、同意してくれる忠信は、今回の事が終わったら平泉で共に暮らして彼女と一緒になりたいと。
勿論「嬉しい」と答える彼女が可愛かった。
そして二人で幸せになろうと誓ったのに。
会合当日、現れたのは源氏ではなく知盛と重衡。
ですが力を出す二人は圧倒的に強く秀衡たちまで倒されていく。
そして義経も力を使いますが、正気に戻そうとした忠信が体を張って彼女を止めて…。
義経の笑顔が好きだという彼の最期の言葉が胸に刺さる。
たくさんの大事なものを失った義経は知盛に抵抗せずに連れられ…。
これからの人生を彼らと生きていく彼女が哀れでなりませんでした。
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