ネタバレ要素がありますので、読まれる際はくれぐれもご注意ください。
ディオニュソス(CV:野島裕史)
掴みどころがなくいつも気怠げでゆるい感じがたれ目にぴったり。
何度頼んでも中々授業に出てくれないディオニュソスが気になる結衣。
彼のことが知りたくて、出かける彼をつい追いかけると森の中で葡萄を栽培している。
「二人だけの秘密」として教えてもらった葡萄の世話を、結衣も手伝うから授業に出てくれてとお願いして、漸く彼が降参してくれて良かった。
例え授業中寝ていたとしても(笑)。
それにしてもディオニュソスは結衣がにスキンシップと軽口が多すぎ。
彼女をからかって反応を楽しんでる(笑)。
でも収穫祭の準備では、模擬店の作業手伝ってくれたり、突然の雨で落ちてしまった葡萄を拾ってゼリーにしたり。
無理をする結衣を気遣ってくれる優しさもあっていい男なんですよね。
収穫祭も二人でまわって楽しそうだったのに、後夜祭では彼がいなくなって探し回る結衣が健気。
漸く見つけたディオニュソスは一人屋上で過ごしていて、ハデスの「あいつの心には深淵がある」という忠告が重なり不安になります…。
そういえば、俺には葡萄の木しかないとか、中途半端な結末がお似合いだとか結構自虐的なことも言ってましたもんね。
付かず離れずの距離感がいいとも。
二人でもう少し打ち上げしないかという、彼の誘いに乗るで恋愛ルート、断るで宿命ルートへ。
恋愛ルート
ディオニュソスの誘いにのる結衣。
彼の特製ホッとワインの香りに酔った結衣を横抱きにして部屋に送るのはいいけど、一緒に寝てるし彼女の胸元のボタンが外されてるし。
「何も覚えてないの?」と聞かれてうなずくと、「オレだけの思い出にしておく」と余裕の彼。
これじゃ結衣だって余計に意識して動揺しますよね。
でもどうしてもあの夜の事が気になり、結衣が意を決して聞くとはぐらかされて「もしかして俺に惚れちゃった?」なんて軽すぎ。
それに卒業資格も兼ねた期末試験を「やるだけムダ」と端から放棄してるディオニュソスの卒業が危ういと聞き、結衣はギリシャ神話組で勉強合宿へ。
ディオニュソスは相変わらず結衣にスキンシップや軽口を叩いて、彼女だけ意識しているようで複雑な心境なのが気の毒…。
すると彼が出自を簡単に語ってくれますが、ゼウスと人間の間に生まれた半端者の自分をアポロンと比較して、自嘲気味に話すのがやるせなかったです…。
それに具合が悪いと言ったディオニュソスを心配した結衣を押し倒し、「あの夜」を持ち出してそのまま事を進めようとしたけれど、そこにハデスたちが来て未遂に。
おまけに「あの夜」は何もなかったし、遊びなら大歓迎と言う彼の真意が掴めない。
これじゃ結衣も混乱しちゃう。
そして試験を終えて、彼に恋をしていると漸く気付いた結衣。
放課後、彼に懸命に告白する結衣にあっさり「付き合おう」とOKを出してキスをしようとするものの、急に「気楽にいこうよ」と止めてしまい、本当に彼女の事が好きなのか疑問…。
それに、ディオニュソスは彼自身が抱える本質的な問題を、自分と向き合い自分の力で解決しないと卒業できないらしい。
そうして彼が語った本質的な問題は、想像以上に重く切なかった…。
望まれない子供として生まれ母は死に、愛を知らずに育った中途半端な存在の自分を認めることが出来ない。
結衣がいくら言葉を尽くしても説得しても彼には届かず、繋がったと思っていた心も勘違いだったのかを尋ねると、「どうしたらいいか。わからない」と返されたら傷つくでしょうに…。
でも結衣を必死に追いかけてきたディオニュソスが、初めて彼女の名前を呼んでくれただけでも嬉しかった。
いつか離れ離れになる運命だとしても、結衣を失いたくないし必要だと気付いたディオニュソスは、「愛している」と告白し、心の繋がりを確かめるような長いキス。
人を深く愛せるくらい自分に自信が持てた彼の枷が外れ、漸く卒業資格を得ることが出来て一安心。
卒業ギリギリまで恋人同士を満喫し、結衣の不意打ちのキスに照れるディオニュソスが新鮮で可愛かったです。
すると彼から「オレと一緒に来ない?」と。
自分の世界へ帰ると恋愛END1、神話の世界へ行くと恋愛END2へ。
恋愛END1
自分の世界を選んだ結衣。
別れる瞬間までディオニュソスが結衣と手を繋いでくれていて。
元の世界に戻って記憶はないけど、消失感と手の温もりが残っていたは、愛の力かな。
街でサックスを吹いている男性を見かけて握手をすると、探していた温もりが。
そして結衣の名を呼ぶディオニュソスが彼女を抱きしめての告白は、彼女を想う気持ちに溢れていてちょっと感動しましたね。。
彼の手を取った結衣のこれから始まる物語が楽しみです。
恋愛END2
ディオニュソスと一緒いたいと告げた結衣。
けじめとして、結衣を連れてゼウスに挨拶するディオニュソスの、絶対に彼女を連れて帰るという覚悟が伝わりました。
またゼウスに祝福されるとは、彼もやはり父親なんですね。
ギリシャ神話の世界では、ディオニュソスが結衣の左手の薬指にアレキサンドライトの指輪嵌めて「永遠にオレのもの」と宣言。
彼とのキスは情熱的で、それから結衣の全部をオレのものにすると…。
いいよね?と優しくて確認されたら、蕩けてる結衣は肯くしかないでしょ。
二人の長い夜はこれからですね。
宿命ルート
結衣を部屋へ送ってくれたディオニュソスの出生は、想像以上に重く辛い…。
ヘラに人間の母親を殺されて、人間界を転々として逃げている時に出会ったのがあの葡萄の木だったとは…。
結衣が羨ましくなるくらい、ディオニュソスの行く所に必ずついてきて一緒にいてくれる葡萄の木が、彼にとって大切な存在である理由がわかりました。
また卒業制作の展覧会での壁画の話し合いも、いつの間にか抜け出すディオニュソスは、神として誇れる神話が無いし気まずい雰囲気を避けたいと自嘲的。
そんな時にゼウスから、オリュンポス12神を描けとディオニュソスに試練が。
彼は人間界で暮しながら、神話の世界へ呼ばれるのを待ってる間に実力を認められ、漸く神話の世界へ呼ばれた時に、自信たっぷりに輝いている神々を見て強烈な劣等感を植え付けられていたんですね…。
真の意味での神になるには、全てを受け入れ乗り越える事を、自力で気付く必要があるみたい。
でもせっかく完成した絵には11神しかいないし、あまつさえ12神目の場所を黒く塗りつぶして、自分との戦いから逃げてしまったディオニュソスが痛々しい…。
彼を信じ自分の出来ることをやろうと、黒く塗りつぶされた場所を一人で修復する結衣は健気で強い。
そんな彼女をディオニュソスだって放っておけないですよね。
ディオニュソスの過去や劣等感を知って、一緒に道を探すという結衣の支えは本当に心強い。
そのおかげで、せっかく他の神にも見劣りしない理想のディオニュソスを描いたのに、彼の意志で取り組んでないから落第とは、ゼウスも甘くない。
結衣が彼を信じ励ます言葉は自然と彼の心に響いて、二人でゼウスに直訴をすると、
枯れかかっているディオニュソスの葡萄の木を蘇らせるという最後の試練が。
実はブドウの木にはゼウスの力が備わっていたよう。
それを断ち切られて絶望し諦めるディオニュソスに、結衣は葡萄を抱きしめながら、必死に彼を励まし支えて…。
その姿に胸が熱くなりました。
そして結衣と葡萄を守るように覆いかぶさるディオニュソスに達に襲い掛かる雷。
結衣が彼らを守るように盾になると、その想いが届いて神化したディオニュソスが今度は彼女らを守る姿が当たり前だけど神々しい。
自信を取り戻し余裕に満ちた彼は葡萄の木を蘇らせ、無事に試練を乗り越え自分自身を認めることができて良かった
それに結衣のおかげで人間を慈しむ感情も培われて、一回り大きく成長したよう。
卒業バーティの責任者をディオニュソスに任せると宿命END1へ、クラスの皆で主催すると宿命END2へ。
宿命END1
ディオニュソスが主催者となった卒業パーティーは、スタッフも巻き込み彼らしい遊び心満載の内容。
大勢の中でディオニュソスがが中心で冗談を言って盛り上げ、かつて一人で姿を消していたのが嘘のよう。
卒業式の朝、結衣が葡萄の木に挨拶に訪れると、そこにはディオニュソスもいて、彼の特製葡萄ジュースで二人きりのお別れパーティなんて彼らしいな。
ディオニュソスにお礼を言われて涙ぐむ結衣を、優しく慰め額にキスする彼。
明るい未来に向かって歩き出す二人が頼もしく見えました。
宿命END2
クラスの皆が主催者となり、全校生徒も招いてのパーティーなんて壮大。
ディオニュソスがリーダーシップをとって生き生きしているのは嬉しいけど、少しだけ寂しい結衣の気持ちも複雑ですね。
パーティーはディオニュソスが仕切ってインタビューするなど、本当にみんなが和気あいあいとして楽しそう。
自信に満ち溢れたディオニュソスがとても魅力的でした。
アポロン (CV:入野自由)
結衣を「妖精さん」と呼び、言葉を繰り返す癖が憎めない。
そんなアポロンルートは、彼らしく爽やかで明るいストーリーでした。
卒業課題について神話を調べると意見を言うものの、その先は何も考えていないのがアポロンらしい(笑)。
それにハデスが不幸を持ちだして遠慮するのを、持ち前の明るさと前向きさで解消させるのは彼くらいでしょうね。
でも結衣とハデスが花壇の手入れをしているのを見て、ハデスの大人の落ち着きや頼りがいに憧れながらも、嫉妬しているのが可愛い。
結衣がアポロンにしかない魅力がたくさんあるとフォローしますが、ハデスに対してのジレンマを抱えたのはどうやら結衣が原因のよう。
気付くと結衣を目で追っていて、彼女の真っ直ぐで優しいところが大好きとはっきり言えるのがアポロンの魅力でもありますね。
ギリシャ神話の文献を選ぶ手伝いで、アポロンを選ぶとアポロンルートへ。
文献を調べ疲れたアポロンが、結衣の肩にもたれかかって寝てしまうのは仕方ないとして、「大好きだよ僕の妖精さん」など彼女への想いを寝言でいいながら手を握るのは無邪気な彼しか出来ない芸当でしょうね(笑)。
それに起きたら「夢の続きは今度」と彼女の心が騒がせて、無意識とはいえ罪な男です。
その夢の続きの告白は、アポロンらしくて素直で真っ直ぐ。
彼に手を繋がれ抱き寄せられて、抱きしめ返すことで返事をした結衣と、心が通じ合って喜ぶ彼がキラキラして眩しい。
結衣の額へのキスも優しさに溢れていて、とても温かい。
それに想いを伝えあってから、アポロンのスキンシップが増えリードも様になって頼もしくなりました。
そんなアポロンに喜んでほしいと思う結衣も、彼の誕生日を計画して一途。
そして結衣が念入りに準備したアポロンの誕生日。
ウェディングケーキ並みのバースデーケーキには笑えましたが、何もかもが初めての彼は素直に喜んでくれるし、結衣を気遣う優しさは相変わらずで癒されます。
誕生日のお礼に、アポロンに抱きしめて欲しいとお願いする結衣が可愛かったな。
神化して竪琴を奏でてくれるアポロンの姿も、いつもの無邪気な彼とは違って大人びて魅力的。
この時間がいつまでも続けばいいのに、と思わせる幸せそうな二人の姿が目に焼き付いて、しばらく離れませんでした。
アポロンEND
課題の発表会も成功し、結衣と待ち合わせて後ろから抱きしめるアポロン。
随分大人になったなと思ったけど、彼女に心の準備が欲しいと言われて心配した顔はあどけなくてやっぱり可愛いが似合います。
卒業が迫り別れが近づく中でも、アポロンは「残された時間を嘆くより、最後の時まで思い出を作ろう」と、どこまでも前向きな言葉に胸が熱くなりました。
それに恋人同士の二人の触れ合いや相手を想うの言葉の数々が、初々しくて微笑ましい。
特に印象に残ったのは、お互いを王子様とお姫様に見立てたやり取り。
王子様とお姫様の束の間のかけおちは、王子様がお姫様を「お姫様抱っこ」してキスをするという、彼らしい爽やかでロマンチックなもの。
王子様がとても素敵で格好良かったし、お姫様も可憐で可愛かった。
エピローグ
別れの時、先にハデスと帰っていたはずのアポロンが結衣を待っていてくれたのは、クラスメイトとしての別れの後に恋人同士の時間をくれたからなんですね。
「必ず会いに行くから」というアポロンの声に背中を押されて、元の世界へ戻った結衣。
陽だまりの中にいないと落ち着かなくなった結衣に「妖精さん」と声をかけるアポロンは、時を超えて彼女に会いに来たと。
記憶をなくした結衣に寂しそうな表情をしても、やっぱりアポロンには前向きがよく似合う。
アポロンが結衣に愛していると伝えると、彼の全てが懐かしく思えて胸の中に飛び込んでいく彼女が愛らしい。
まるで春の日差しが二人を祝福しているようで、未来も明るいと感じさせてくれました。
ハデス(CV:小野大輔)
アポロンとは正反対の性格で、周りの者を不幸にする呪われた運命。
卒業課題も結衣達に迷惑をかけるのが心配で参加したくなかったという優しいハデスに、胸が締め付けられます。
結衣が図書室の踏み台から落ちそうになった時にハデスが支えてくれて、端正な顔を間近で見られて彼女が羨ましい(笑)。
それにハデスは風で荒れた花壇の世話をし、小さな命を大切にする彼に結衣が惹かれるのもわかります。
でも結衣が手伝おうとすると、不幸にすると断るハデス。
そんな彼をもっと知りたいと思う結衣の説得に「大切な者を守る強さ」を身に付けようとする彼が、前向きになって嬉しかった。
ギリシャ神話の文献を選ぶ手伝いで、ハデスを選ぶとハデスルートへ。
ハデスを手伝うと結衣。
ある程度資料をまとめ手際が良くて助かるけど、自分のことを日陰の存在で文献も多くないからアポロンのところに行ったらどうだと勧めるハデスに、彼のいいところを並べつくす結衣が頼もしい。
それにイチゴミルクを嬉しそうに飲むハデスが可愛かった(笑)。
見かけによらず甘いものが好きなんですよね。
そんなハデスには結衣に知られなくない負の部分があって、そういう文献は予め除けていたとは。
それを知ったことで離れると思われ隠されていたなんて、結衣が悔しく悲しくなるのも仕方ないですよね…。
するとハデスが、いつも傍にいてくれた彼女が離れるのが怖くて隠していたなんて本当に憶病。
そして結衣が好きだと告白してくれます。
自分は冥府の王だから、想いを受け入れなくてもいいけど伝えておきたかったというハデスが、全てを諦めているのが悲しい。
だから結衣もハデスを好きだと告げたのは嬉しかったです。
卒業までの残り短い時間を、恋人同士として過ごせることになって良かった。
それにハデスと思いが通じ合ってから、和やかにじゃれあうように話す二人が微笑ましい。
そして結衣がハデスの誕生日を祝いたいと言うと、楽しみにしているというハデスが喜んでくれて。
「お前を独占したい」と囁いた大人の魅力にノックアウトされました(笑)。
誕生日当日、結衣が用意したプレゼントはまさかの大量のイチゴ大福(笑)。
するとハデスから結衣へのプレゼント交換は、冬の夜空の星々。
後ろから彼に抱きしめられながらの星座鑑賞なんて贅沢ですね。
でもそんな幸せはあっという間に覆されて。
彼の隠された闇色のオッドアイが晒され、彼と額を合わせ死者の怨嗟の声を聞く結衣。
神化したハデスに呼び戻され冥府の世界を共有した結衣に、ハデスは逃げられるのを覚悟して本当の自分を知って欲しかったんですね。。
そして去ろうとするハデスに「バカ」と抱き着いた結衣が、彼の世界や彼自身がどんなものでも「あなたがいいんです」と告げたのには、胸が熱くなりました。
ハデスEND
中庭で資料が風で飛ばされそうになり、二人で押さえようとした時、思わず顔が近づいて…。
ハデスからの口づけはとても甘いのに、彼は卒業後に結衣の記憶が消えることに苦しげ。
そこで結衣はハデスのことを思い出せるようにと、四つ葉のクローバーで「幸福の証」の押し花のしおりを作るなんて洒落てる。
デートで結衣が渡したしおりには二人の名前を並べて書いてあって、ハデスも大切にすると嬉しそう。
それにハデスが「不幸」と言うと、恥ずかしいセリフを言う罰ゲームで、彼がわざと「不幸」と口にして結衣に「好きだ」などのセリフを延々と並べたてキスする流れが、とても情熱的で甘かったです。
エピローグ
元の世界へ戻るのに、やはり帰りたくないと泣き出す結衣を壁ドンしキスするハデスが格好良かった。
それに四つ葉のクローバーのしおりを握りしめて元の世界へ戻った結衣が切ない…。
結衣が花壇を眺めていると、初対面の男性に声をかけられて。
そして彼の持っていた本のしおりが結衣のものと同じで、読めなかった文字を彼が発音すると、胸が締め付けられる。
結衣の中に彼がいないと知っても、これからも傍にいて見守ってくれるとハデスが穏やかで優しい。
始まったばかりの二人の恋は、これからゆっくり育まれていくのでしょうね。
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©BROCCOLI Illust.Yone Kazuki