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今さらハマった!PS Vita版『越えざるは紅い花』感想 ~ルジ・ウル・トーヤ・Vita版追加要素~ 

 

攻略対象が9人とボリュームのある『越えざるは紅い花』。

今回でやっと全員クリアしましたのでその感想と、Vita版で追加になった要素についても綴らせていただきます。

 

 ※他のキャラクターの感想はこちら↓  

www.mattari-nonbiri.com

 

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※若干ネタバレしておりますので、読まれる際はくれぐれもご注意ください。

ルジ

国一番の薬師で、ルス人と似た髪色を持つ優し気な雰囲気の美青年。

誰に対しても人当たりが良く、女性に対して警戒心を抱かせない柔らかい物腰。

 

ルジのルートは主に腐死の解明と治療薬の開発です。

途中まではトーヤと同じルートなのですが、分岐点まで中々登場しない為、いざルジが登場しても中々気持ちの切り替えができませんでした。

ですがルジのルートを進めていくうちに、彼の人柄に段々と惹かれていくようになりました。

 

ルジは過去にあった出来事によって、女性を傷つけることを恐れている為、結婚は考えていないとのこと。

ですがこの事は今まで誰にも話したことがないらしく、ある時ナァラだけに打ち明けます。

また、段々と打ち解けていくうちに、ナァラとルジは血縁関係であることが判明。

 

女性に対して関心がないはずのルジですが、ナァラとの距離が縮まっていくうちに、ルジのナァラへの気持ちも大きくなっていきます。

 

ですがトーヤの妻、つまり妃であるナァラに恋をしてしまったルジの葛藤がとても切なく、、、。

ナァラもそれが分かっているだけに、苦しみます。

普通に考えれば許されない二人の恋。

どうやって決着をつけるのだろうと先が気になりました。

一度は諦めようとしてもできなかったルジ。

そんな彼が選んだ結末とは。。

 

その外見と人となりから草食系かと思っていましたが、結構ガッツリ肉食系で、そのギャップに萌えました(笑)。

おまけにノール程ではないものの、かなり嫉妬心が強かったりして楽しめました。

 

また、唯一このルートではシャルにも恋人ができます。

ルジの幼なじみとナァラの幼なじみ同士での合コン(?)は、他にはないので貴重だし、その会話がとても楽しくて、思わず混ざりたくなってしまいました。

 

ウル

元々はトーヤの侍従でしたが、ナァラの侍従へ。

とにかく可愛い!

いやもう、こんな男の子が侍従だったら、色々からかったり可愛がってあげたい!

とにかく素直で職務に忠実で真面目なウル。

ナァラに対しての心遣いも、兄に対して一歩も引かない強さを見せるなど芯が通っています。

 

そんなウルにも心に秘める想いがあるのですが、決してナァラに明かそうとしないところが、また可愛くて健気で抱きしめたい(笑)。

 

最後に自分の想いを伝えるウルは、今までの可愛らしさではなく、少年の真摯な想いに溢れていて格好良かったです。

 

トーヤ

ナスラの王。ナァラたちを攫ってきた張本人。

国法ゆえに逆らうことが出来ず仕方なく攫ってきたが、女性たちを傷つけることをよしとせず、彼女たちに夫を選ばせる制度など制定。

常に女性たちの幸せを願っているが、ルスの女性と自分の結婚は考えていない。

 

トーヤルートは、ルジ同様、腐死の謎について解明していくストーリー。  

初めはトーヤに反発していたナァラですが、トーヤの考え方や、事あるごとにすぐに謝罪する様、そして時折見せる子供のように屈託のない明るさなどに触れていくうち、段々とわだかまりが解けていきます。

 

そのうちナァラとトーヤの過去に意外な繋がりがあることがわかり、ますます二人の距離が縮まっていくのですが・・。

やっとナァラが素直になってトーヤを受け入れて、これでめでたしめでたし!となるかと思いきや、予想外の展開に・・・!

 

これまでもトーヤの闇の部分についてそれとなく伏線は張ってあったのですが、これがまたそうくるか!という設定で驚きました。

 

いつも明るい太陽のような笑顔のトーヤからは窺い知れないその闇が、かなり重くて衝撃的でした。 

トーヤの、その重い過去に向き合っていく姿、ナァラに対する想いの強さに胸が痛くなります。

 

そんなトーヤを受け入れるナァラ。

ですが二人を取り巻く環境は、かなり深刻な状況に陥ります。

BESTエンドでは、二人の絆の深さに感動するとともに、ルスの女性たちにも受け入れられている様子が描かれていて、これまでの姿勢が報われて良かったなと思えるエンディングでした。

 

後日談では、もう恒例とも言える(笑)ノールのお邪魔虫に笑いました。

 

 PS Vita版追加要素

スペシャルストーリー

スレンとトーヤをクリアして見られる追加シナリオで、スレンと結婚しているナァラ達のお話。

 

相変わらずスレンの嫉妬深さが全開で、トーヤと友達として接しているナァラに、スレンが忠告をしてきます。

トーヤルートをクリアしていれば、このスレンの心配も理解できるのですが、 ナァラにとっては親友であるトーヤを邪見にすることも出来ず。。

 

スレンは、幼馴染としてのトーヤを大切に想っているけれども、だからと言ってトーヤのナァラへの接し方や気持ちを許せるものではありません。

もちろんナァラへの想いもあり、これらの感情が複雑に絡み合って誤解を生んでしまいます。

 

それでもトーヤの秘密を頑なにナァラに話さないスレンには、トーヤと育んできたであろう絆の深さと漢気も感じさせられます。

また、トーヤのスレンには対する友情も現れていて、二人の公にできない秘密を共有する絆に、男同士の熱い友情と信頼関係の強さを感じました。

 

ショートストーリー

トーヤ・スレン・ノールの書き下ろしSSが3本。

コメディ調のシナリオがベースで、前半はとにかく笑いっぱなしのストーリーでした。

 

3本とも共通しているのが、全員ナァラにベタ惚れで、しかもそれぞれがそれぞれに嫉妬しているという(笑)。

いずれもいかにナァラが愛されているか、もしくはどれだけナァラを愛しているかが堪能できるストーリーでした。

 

また他にも以前雑誌などで掲載されたSSも収録されており、計13本とかなり読み応えのある追加となっております。

どの話も糖度が高くて甘い気分に浸れました。

 

ボイスドラマ

ルジとエスタのボイスドラマ。

ルジはエンディングを迎える前の設定で、トーヤの妻であるナァラに対する気持ちが切なく描かれています。

エスタは、BESTエンドではなく「永久の待ち人」後の設定。

エスタの誠実さが痛いほど伝わってくるのですが、出来ればBESTエンド後で作ってほしかったな。。

 

クロックモード

う~ん、正直使い方というか使い道がよくわからなかったです。。すみません。。。

ですが、普段からこういうものに慣れ親しんでいる方なら、きっとおいしい要素だと思います。

 

まとめ

どこか中央アジアや中東を伺わせる舞台に、まるで韓国や中国の大河ドラマのように、戦争や陰謀、恋愛が複雑に絡み合ったドラマティックで濃密なストーリー。

その世界観にたっぷり浸らせていただきました!

おまけに、糖度もめちゃくちゃ高かった!

 

政治や軍事などの設定もしっかりと作り込まれているし、特に目立ったご都合主義や矛盾もなく、自然とその世界観に引き込まれて行きます。

また疫病や出生率の低下など、現代にも起こっている問題を扱っている為、「どこかのファンタジー世界のお話」という他人ごとではなく、割と現実に近い感覚で受け止められました。

 

主人公ナァラのキャラクターも本当に良くできていて、芯の強さや公平な態度、優しさと聡明さにとても好感が持てました。

それぞれ魅力的なキャラクターとの恋愛過程にも、矛盾がなく自然で丁寧。

ナァラでなかったらここまで感動しなかっただろうな、と思うストーリーでした。

 

攻略対象のキャラクターについても、一人も嫌だなと感じる人はおらず、全員大好きになりました。

中でも一番のお気に入りは、献身的で無償の愛を貫くエスタ。

ですが、普段の変態腹黒ぶりと、時折見せる素直な本音の愛情表現とのギャップが激しいノールも捨てがたいですね(笑)。

そして三番手はセフかスレン。

とは言え、他のキャラクターも皆魅力的でボリューム満点でした。

 

ゲームをクリアする度に思うのですが、終わってしまうと本当にさみしいですね。。

PC版ではファンディスクもでているようですので、出来ることならこちらと合わせてswitchに移植して欲しいです。

 

シリアスで濃密なストーリーが好きな方、異国風の大河ドラマを味わいたい方、たくさんのキャラクターを攻略したい方にはとてもおススメのゲームかと思います。

今までswitchのゲームに拘っていましたが、Vitaにも目を向けようと思わせていただいた作品でした。