まったりのんびりほっこり

ゲームや読書などを中心に、日々感じたことを書いてます。

『遺跡発掘師は笑わない 悪路王の右手・左手』感想

今回も一気に読んでしまった「遺跡発掘師は笑わない」シリーズ4作目。

陸前高田の遺跡発掘現場で、無量が発掘した三本指の右手の骨を皮切りに、平泉では出土品の盗難事件が発生。

出土品と盗難事件の謎を追ううちに、東日本大震災の爪痕や古代日本と朝鮮の歴史が複雑に絡み合っていく展開は、目が離せませんでした。

 

相変わらず絶体絶命のピンチ

この人、実は危機管理能力が足りないのでは?と思った忍。

油断していたわけではないでしょうが、今回も殺されかけます。しかも女性に。

すごいなと思ったのは、この殺されかけた女性に対してあっさり協力体制を築いたこと。

この女性も事情があって可哀想な身の上なのですが、それにしてもさっき殺されかけたのに?!と少々思わなくもなく。。

まぁ謎を解く鍵を握っている女性には違いないですし、その女性もなんとなく忍に好意を持っているような展開に流石色男!となりました(笑)。

 

その後もモデルガンで撃たれたりしますが、その時にはちゃんと防弾チョッキ着けてたので、やっぱり女性の時には油断だったのでしょうね。

 

ただ、今回の話はやたらと毘沙門天が出てくるので、どうしても忍が直江に重なってしまいました。。。

 

無量は無量で、萌絵を送り出し一人になった途端、拉致され強制発掘となります。。

 

無量の神業発掘

そして更にパワーアップした無量の発掘技。

もう、本能で異物を掘り当てちゃう様はまさに神がかってました。

敵もビックリしてましたし。

この無量の神業で発掘された薬指と、初めに発掘した右手が事件の謎を解く鍵となっていくのですが、悪路王や百済など色々な要素が絡み合っていて、ちょっとついていくのが大変でした。。

おまけに戦時中の台湾なんかも絡んでくるし。。

ノートでも取りながら読み進めないと、ちゃんと飲み込めない自分の頭に辟易ですが、でもこれがこのシリーズの醍醐味なんですよね。

本当によくこれだけの材料を一つにまとめたなぁと作者のポテンシャルに感嘆するばかりです。

 

そして最後に無量が掘り当てたある物が、とても優しくて心温まるエピソードで綴られていたのにグッときました。

別の意味で無量は涙目になってましたが(笑)。

 

3人の心地よい関係

一番最初のエピソードで、忍の許婚として竜禅寺家の奥様と食事を一緒にすることになった萌絵。

忍の縁談話を断る口実なのはすぐに想像できたのですが、それにしても忍の有無を言わせずの視線。

無量には甘いのに(笑)。

そんな忍も、最後に無量の鉄拳を顔面にお見舞いされる羽目に(笑)。

忍って本当に他意のないからかい方をしますよね。萌絵にも無量にも。

何だかんだで、忍にはとても居心地のいい関係の二人なんだなと認識できますが、最後の最後で登場したJKには暗雲しか見出せない。。

この3人の中で一番不器用なのは忍だと感じているので、先の展開が心配です。。

 

また、忍にからかわれた無量も涙目で可愛いのですが、これ別に萌絵がパクとデートしてヤキモチ妬いた訳ではないような・・・?

萌絵は忍が好きだと認識(勘違い)している無量が、パクとのデートを聞いて何かおかしいと考え込んだだけのような気がしました。。。

どうなんだろう?

個人的には二人にうまくいってほしいですけどね。そこまでの過程が気になりますし。。

 

先も気になるのだけど、読み始めると一気に読んでしまうので、何だか読むのが勿体ない気がするこのシリーズ。

また近いうちに続きを読めたらなと思います。