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『ジャックジャンヌ-夏劇-』小説感想

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ジャックジャンヌロスが怖くてなかなかプレイをやめられず、全ルートクリアしたにもかかわらず、フミルートをもう一度やり直し、今度は根地先輩ルートをやり直しているくらい見事にハマってます(笑)。

 

小説も買ってはいたのですが、その後のコンテンツがないので、もったいなくて大事に取っておいていたものの、読みたくて我慢できなくなり、とうとう手を出してしまいました。

 

今回は、そんな魅力あふれるジャックジャンヌの小説の感想です。

 

 

※ネタバレ要素がありますので、読まれる際はくれぐれもご注意ください。

only one life

夏公演期間中のカイの心の中の葛藤を描く物語。


フミとのダンスの稽古中に、ふとフミが発した言葉をカイがどう消化していくのかな?なんて軽く考えていたのですが、そんな生易しい内容ではなかったです。。

 

稽古中にスズからジャックエースとしての基礎を教えて欲しいと頼まれたカイ。

無理やり巻き込まれた創ちゃんも一緒にカイに教えてもらうことになるのですが・・・。


とにかく、この時点でスズに対する創ちゃんの劣等感がすご過ぎて半端ないんですよ。。
本当に気の毒だし可哀想。。

 
またそんな創ちゃんから距離を取られて寂しさを感じているスズも傷ついて悩んでいて、本当にもどかしくてやるせなかった。

 

そしてかつてはフミに対して、創ちゃんと同じような劣等感と挫折を抱いていたカイ。

過去の自分を創ちゃんに重ねて、気持ちが分かりすぎるのにうまく言葉をかけられないのも、今の自分に自信がなく悩んでいるからなんですよね。

 

あの夏公演の裏でこんなことがあったなんて。。。
 

ですが最後は、希佐の温かい言葉と継希との思い出に背中を押されて、何か吹っ切れたようなカイにホッとしました。

さすが立花兄妹!

 

フミとダンスの稽古をした際、フミの投げかけた言葉がここで綺麗に解消されたのも良かった!

呼吸がハマった瞬間には何だかカイと同じく清々しい気持ちになりました。


「自分で自分の限界を作ってはいけないよ。ユニヴェールは自由な場所なのだから」

 

まさにこの継希の言葉がすべてを表わしているなと感じるストーリーでした。

 

 

涙かんざし

ひょんなことからスズと希佐が大伊達山の木の穴から見つけた、まるでそこに隠されていたかのような簪。

偶然通りかかった根地先輩にそそのかされて、その簪の謎を解いていくストーリー。

 

ネットで情報を調べたり、街に出たりして情報を集める様子が、まるで宝探しのようで面白く、どんな謎が隠されているのかワクワクしました。

途中からは、わらしべ長者のようになりましたが(笑)。

 

そしてたどり着いた簪の由来。

それはあまりにも悲しい玉阪の古典舞台。

そして簪に秘められた切ない想い。

 

舞台の内容もそうですが、何ともやりきれない由来が隠されていたもんだなぁと。。

根地先輩は知ってて、あえてスズ達に調べさせたんですね。

根地先輩らしいと言えばらしいですね・・・。

 

結局簪を元の場所に返そうとする二人ですが、意外なことでそれも叶わず・・・。

最初の宝探しの楽しい気分から、一気にしんみりとした雰囲気になりました。

 

このお話、カイのストーリーからもつながっていて、創ちゃんも誘って謎解きをしようとするんですけど、連絡するも返事なし。

創ちゃんとの関係に悩むスズの、真っ直ぐで飾らない素直な気持ちが、心に響きます。 

 

それにしても骨董品のおばあさんのくだりで、希佐の意外(?)な一面についてのスズの考察が鋭かった!

スズって鈍いようでいて案外こういう事には敏感なんですよね。

 

 

不抜之志

創ちゃんが自分の劣等感と向き合うお話。

 

スズの事をライバルだと思っているけれど、どんどん先に進んでいくスズ。

また夏公演でフミとコンビを組んで、その圧倒的な存在感に打ちのめされ、ますます劣等感の塊になっていた創ちゃんに、根地先輩が強引に押し付けてきた着ぐるみのバイト。

 

そんな創ちゃんがウサギの着ぐるみを着て、客引きのためのダンスを踊って行くうちに、徐々に訪れる心の変化が丁寧に描かれています。

 

創ちゃんがこれほどまでに人に認められたいと願って苦しんでいたなんて。。。

だから稀ちゃんたちの登場にはホッとしました。

加斎くんもちゃんと気付いていたのは嬉しかったな。

 

バイトが終わった後に、創ちゃんが気付いた大切なこと。

創ちゃんが前を向いて進んでいく姿に、一回り成長した力強さを感じました。

 

また、スズと希佐の連絡に出られなかった理由も、これだったのかとわかって一安心。

最後のスズに向けた言葉からは、壁を越えた様子が感じられて、こちらの気分も明るくさせてくれました。

 

そう言えば、創ちゃんが希佐に継希のことを尋ねた時の回想シーン。

とても心に残りました。。

 

 

巣立ち

ミツキの自立と成長の物語。

ミツキの母親に希佐が引っ叩かれるイベントの前後の時期を描いています。

 

軸となるのは、ミツキの母親との関係性とユニヴェールでの在り方でしょうか。

 

ゲームでは、ミツキの母親について詳細に語られてはいませんでしたが、こちらでは生い立ちや母親への感情について述べられています。

 

ゲームプレイ中でも思いましたが、改めて酷い母親だな、というのが正直な感想。

ミツキが自分を守るためにユニヴェールに入学してきたというのが、もう堪らないですね。。

 

ミツキの、自分にも他人にも甘えない強さや、他人に流されず多少キツめでも自分の意見を正直に伝える真面目な人となりは、こういう背景も少なからず影響しているのかな。。

 

また、希佐との出来事をきっかけに、母親と決別できたのも良かった。

普段放任主義の江西先生が、こういうところでビシッと決めてくれるのがとても頼もしかったです。

 

ミツキを心配してくれるフミや、体を張って守った希佐、同期の御法川や菅知など、彼を大事にしてくれる仲間たちに囲まれて、これから先の自分の在り方について問いかけるミツキの姿がとても印象的でした。

 

 

からからから

フミの田中右に対する拘りと闘志がひしひしと感じられるお話。

 

夏公演の追い込み中、紙屋と百無が頻繁にフミの偵察に訪れたことから、海外公演の稽古が上手くいっていないと察したフミが、何とアンバーの稽古場に現れます。

 

普段ひょうひょうとした何ともフミらしい行動ですが、そうしていながらもアンバーの稽古の様子を見て素早く状況を判断する鋭い視線もフミならでは。

 

そこで演じたフミの瀧姫。

クロの瀧姫を思い出しながらも、俺がやるならセリフはいらねぇと、迫真の演技と舞いでアンバー生たちを圧倒する様子はさすがフミ!

フミが去った後に悔しがる叫び声が聞こえたほど。

おそらくこれは紙屋かな(笑)。

 

改めてフミが天才であると再認識させられ、ゾクゾクしました。

やっぱりフミはカッコいいなぁ(笑)。

 

その後出会った田中右との会話で、田中右の求める器と、フミの思い描く器が対比され、決して相容れないものであると嫌でも伝わります。

切り捨てる田中右と、信頼で繋がるフミとでは、あまりにも姿勢が違いすぎ。

 

また、田中右の挑発とも取れる言葉に、フミが絶対的な自信と確信を持って言い返す姿が、とても凛々しくて男らしかった。

 

お前を本気にさせてやるよ、田中右

 

この一言にフミの並々ならぬ決意と覚悟が感じられ、なるほど、こうして夏合宿最後の希佐への言葉と秋公演につながっていくのだなと、とても感慨深かったです。

 

 

あらた森の蟲退治

夏公演後、いつものように根地先輩の無茶振りで行うことになった、小学校での訪問演劇。

日本昔話風な脚本に、根地先輩のいつものツッコミなど、笑えるお話かと思いきや、意外と泣かせどころのあるストーリーでした。

 

そして、根地先輩の希佐に対して目論んでいたあることが、結構重要なポイントとして描かれています。

 

公演の演目は、クォーツらしい見せ場のある展開で、物語としても面白かったです。

途中で起こったハプニングにも、希佐の機転やカイの思いやりなどが見て取れて思わず感動。

フミや根地先輩たちの対応なども、さすが3年生と頼もしい限り。

 

ですが気になったのはやはり、根地先輩の目論見で明らかになった希佐の抱えているあるもの。

それはアンバーとの戦いにおける隠し球であり奥の手。。

この一件が、秋公演と冬公演、そして最終公演へと繋がっていく根地先輩の計画の発端だったのだと思うと、その事実に思わず震撼させられました。。

 

最後の、あらたの元ネタについては私も知らなかったので驚きました(笑)。

まさに、未知は面白い!

 

 

僕はナポリタンスパゲティ

鳳くんが、またしても根地先輩の無茶振りで、クォーツ生のプロフィールを調べることに。

 

根地先輩の無茶ぶりだと察して進んで協力してくれるカイとフミや、イヤイヤながらも協力するミツキ。

素直なスズや、警戒心の強い創ちゃん、そして聞き出す側の鳳くんから、逆に情報を引き出す希佐など、それぞれへの対応が何とも鳳くんらしくて笑いました。

 

それに希佐が引き出したナポリタンスパゲティの話には、思わずホロリ。

でも、希佐の方が一枚上手だなと感心。

 

そして、その後の鳳くんの演技が良くなったという事実。

これもまた計画の一部だったの?と思わせる根地先輩にはいつもながら脱帽です(笑)。

 

 

まとめ

夏公演の裏で起こった様々な出来事。

本当に夏の日差しのようにどれもキラキラと輝いているストーリーばかりでした。

 

笑いあり、涙あり。

ゲーム本編と同じように、彼らの心に寄り添い、心が揺さぶられました。

改めて夏公演をプレイしたら、きっとあれこれ想像しそうですね。

 

また、ゲーム中でははっきりと明言されなかった継希について。

これである程度察せられるのではないかと感じました。。

 

この小説を読んで、ますますジャックジャンヌという作品が好きになりました。

叶うならば、もっと彼らのことが知りたいです。

 

ゲーム本編をプレイしたことがある方は、更に深く掘り下げられた世界観に浸る事ができると思います。

また未プレイの方は、気になったなら是非ゲームをプレイして欲しいです。

そしてこの作品を好きになっていただけたら幸いです。

 

 

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