まったりのんびりほっこり

ゲームや読書などを中心に、日々感じたことを書いてます。

『わたしの幸せな結婚 二』感想

 

1巻読了後、先の展開が気になり立て続けに読んでしまった2巻。

前巻では主に美世の生い立ちと実家の非道さについての話がメインであったのに対し、2巻はガラッと趣きが変わり、美世の異能に焦点を当てたストーリーとなっております。

 

 

※若干ネタバレしておりますので、お読みになる際はくれぐれもご注意ください。

あらすじ

1巻から美世の悪夢についての記述はあったものの、それがさらに酷くなり、毎日のように寝不足が続き体調が悪化するまでに。

そんな美世の状況に清霞も気付いているのですが、原因が美世のそして薄刃の異能ゆえに手が出せない状態です。

そこで独自に薄刃家について調査を行うものの、進展がなく焦る清霞。

同じ頃、帝都の禁域にある墓所が暴かれたことにより、宮内省から交渉人と呼ばれる人物が清霞の元を訪れるのですが。。

 

美世の母方の親族

美世の異能の力について、ようやく明かされる2巻。

清霞が手を尽くしても居所が掴めなかった薄刃家との接触も叶います。

 

美世にとっての家族の在り方についても語られる今作。

1巻では主に父親と継母、異母妹とのかかわり方がメインでしたが、今作では母方の親族が満を持して登場します。

中でも美世の従兄である新がなかなかの曲者。

美世を守るという役目に拘る為か、はたまた嫉妬のせいか、清霞にやたらと突っかかります。

とは言え継母や異母妹ほどの完全な悪役ではない分、美世に対する思いやりなども透けて見える為、徐々に好感度もアップし憎めない存在に。

 

また祖父が放った家族の在り方についてのセリフが、美世の固定観念を崩す役割を担っており、ぐっと胸に刺さります。

家族の在り方やその役割について、改めて考えさせられるセリフでした。

 

ラストでは、美世の異能が顕現しなかった理由や、美世の母親の婚姻のからくりについてまで、実は巧妙に仕組まれたものだと判明します。

1巻での前提条件だった美世の生い立ちが実は伏線で、2巻で回収されたことが分かった時は、少なからず唐突感がありましたが、デビュー作でここまで考えていたのかと素直に感心しました。

 

清霞と美世の絆

美世の悪夢の原因を探るべく、薄刃家へ出向く清霞と美世。

清霞はそこで美世を引き取りたいと願う薄刃家と対峙することになり、結果美世と離れ離れになることに。。

 

この一連の出来事が2巻のメインストーリーとなるのですが、清霞と美世がお互いを想いあい気遣っているのに、ボタンの掛け違いのようにすれ違っていく様子が本当にもどかしく、途中で読むのをやめようかと思ってしまった程とても切なくなりました。。

 

ですがその後、禁域での墓荒らし騒動に対処するために出動した清霞が襲われ昏睡状態に陥り、そんな彼を救うためには美世が立ち上がります。

美世の異能の力がようやく発揮され、清霞とお互いに想いを伝えあうことができ、ホッとしました。

無事に戻った二人の仲睦まじい様子には、思わずこちらも頬が緩んでしまいました。

特に清霞のデレっぷりには注目です。

 

またこの巻では清霞の姉である葉月が登場。

清霞の血のつながった姉なので当然美人なのですが、性格は清霞と違って明るく人当たりもよく、おまけに面倒見もいい。

清霞とよく口げんかをしている様子がとても微笑ましいです。

 

ラスト近くで葉月の離婚した家族が登場するのですが、こちらも序盤から伏線が張ってあり、とても楽しめました。

 

まとめ

1巻の延長気分で読み始めたのですが、全く別の物語のような展開で正直戸惑いました。

ですが読み進めていくうちに直ぐにストーリーに没頭してしまい、一気に読了してしまうほど夢中に。

 

ヒロイン美世の成長が丁寧に描かれており、清霞を始め美世を支える周囲の人物とのやりとりにとても心が温まります。

 

とうとう美世も異能者として覚醒した今作。

続刊ではどのような事件に巻き込まれるのか、また清霞と美世がどのように乗り越えるのか、二人の絆の深さにも期待が高まります。