まったりのんびりほっこり

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『丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。4』感想

 

購入は随分前なのですが、やっと手を付けた第4巻。

今回はどんな調査が行われるのか、ワクワク半ばドキドキしながら読み進めました。

高木ファンの私にとって、「今回は出番が少ないな~」と思っていたら、最後にご褒美が用意されていてありがたかったです。

 

 

新たな登場人物

今作では、メインキャラクターとして新たに二人登場しました。

 

溝口晃 

晃くんは吉原不動産においてかなり高く評価されているシステムエンジニア

霊感は次郎が呆れるほど全くないくせに、心霊現象に異常な執着があり、自分でも心霊サイトを管理運営しているほど。

そしていわくつきの物件に自ら住んでいる変わり者でもあります。

それには彼にとってとても切実な理由があるのですが。。

 

そんな晃ですが、とある事件をきっかけにシステム部と第六を兼任することに。

人あたりが良く人を不快にさせずにスッと懐へ入っていく天性の資質があるため、次郎とも何だかんだうまくやっています。

 

牧田真樹夫

牧田氏は次郎の叔父。

吉原不動産の現社長で次郎の叔母である吉原慶子の婿養子。

苗字を変えているのは、次郎と同じ理由で吉原家の人物であるというのを隠すためらしいけれど、既に役職が社長の次に偉いという営業事業本部長なのであまり意味はない気が。。

ただ影が薄いので、その立場を知らなければ、優しくて人当たりが良く穏やかなおじさんという印象です。

 

この牧田さん、奥さんの事をとても愛しており、奥さんの為なら職権乱用までして、次郎たちをなかば強引に物件調査に駆り立ててしまう所も。

でも根はとても温かくていい人のようです。 

 

あまり怖くない?物件調査

今回の調査は、成り行きで晃くんの住んでいたいわくつき物件に、会社で起こった心霊現象、そして牧田の強引な手段による劇場の3か所。

 

いずれも今までの調査とは異なり、怖さはそれほどでもなかった印象です。

もちろん全く怖くないわけではないのですが、それ以上に心を揺さぶるような事情や原因、おまけにマメの可愛さのおかげで救われました。

 

今回の調査では、高木はお休み。

ちょっと残念ですが、新キャラクターのお披露目もあるので仕方ないかな。

その為二人の個性が際立って、怖くなりがちな雰囲気もどことなく明るく笑えてしまう展開に心が和みました。

 

特に劇場の調査は今までの物件調査とは違って、劇場という華やかな世界のお話で大変興味深く、そのストーリーに引き込まれてしまいました。

 

おまけ(?)として、牧田さんのご自宅である豪邸に招かれるお話も載っています。

それにしても、晃くんも牧田さんも本当に良いキャラクターですね(笑)。

 

一哉の行方 

前巻で居場所を示すヒントが潰えてしまった一哉の行方。

ところが、牧田の家で澪は一哉と思われる霊と遭遇し、あるメッセージを託されます。

次郎の事をことのほか可愛がっていたという一哉を、必死になってさがしている次郎に、澪はこの件を話せません。。

そこで、一哉かどうか確かめるために、澪は高木に一哉の写真を見せてもらうのですが、、、。

 

澪の態度に何かあったであろうことは察しているはずなのに、無理に聞きだそうとはせず、一哉と真樹夫が仲の良かった話をする次郎。

そんな次郎に澪が伝えたのは「自分は次郎の味方だ」という言葉。

それに対し、次郎は 「なら、仕事してくれ」 といつもよりもいくぶん穏やかな口調で澪に告げます。

 

この辺り、澪の話したいけど話せないもどかしさ、話した時の次郎の反応を思いやる優しさなど、本当にじれったくて切なかったです。

かたや次郎は自分からは何も訊ねず、ただただ澪に対して今までよりも明らかに優しく接します。

 

この、今は静かな二人のやり取りが、今後どのような展開になっていくのか。

先が楽しみでもあり、不安でもあります。。

 

高木くんの短編

高木くんの初恋の話。

高木の過去の短編なのですが、その生い立ち故に人間不信でもある彼が、なんと大学生になって初恋をするという貴重なストーリーです。

 

元々イケメンである高木なので、寄ってくる女子は多かろうに自分から距離を取ってしまう彼。

でも、今作はその距離を上手に縮める女の子を相手に、徐々に高木のペースが崩され、そして段々と心を開いていきます。

 

その過程がとても自然で丁寧なので、本当にこのまま幸せになって欲しいと願ってやみませんでした。。

 

最後は次郎も登場し、綺麗に幕を下ろします。。

高木の青春時代の、本当に儚くて綺麗で、そしてとても切ない初恋物語でした。

 

まとめ

全体的に、怖さが幾分薄れた印象のエピソードばかりだった気がします。

かと言って決して物足りないわけではなく、むしろとても心が温かくなるストーリーばかり。

今の時節(コロナ禍)にちょうどよい優しさがあふれていて、とても癒されました。

 

また、次郎が段々と澪にたいして何だかんだと気を遣っているのが態度に現れていてとても微笑ましい。

ぶっきらぼうで素直じゃない次郎なので、その表現にはいささかデリケートに欠ける要素も垣間見えますが、でも澪と二人きりの時には今までと違う穏やかな面が顔を覗かせ、次郎の本質であろう優しさが透けて見える気がしました。

澪が晃に、次郎と付き合っているのか?と聞かれて慌てふためいているのに対して、まったく普段通りの態度を崩さない次郎でしたけど、内心はどう思っていたのでしょうね。

 

晃と牧田の登場も、今後の展開がますます賑やかになるであろう予感ばかり。

高木も今回は出番があまりなかったものの、次回以降一哉の件でどう絡んでくるのか楽しみです。

初恋の件もありますし、彼には幸せになってほしいですね。。

 

そしてマメ!

そんなにカ〇リーメ〇トが好きなら、いくらでも買ってあげるよ~!(笑)。

 

5巻もとても楽しみです(いつ読めるかしら・・・)。

次回もお付き合いいただけましたら幸いです。

ここまで読んでいただきどうもありがとうございました。

 

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