まったりのんびりほっこり

ゲームや読書などを中心に、日々感じたことを書いてます。

『わたしの幸せな結婚』感想

 

ネットでサイトを閲覧しているとき、よくマンガのバナーが現れます。

 

今まで特に気にしたことはなかったのですが、先日たまたまめちゃコミのバナーで「わたしの幸せな結婚」が表示されていたので何気に読み流していたところ、ものすごく続きが気になってしまい、思わずkindleでポチリしてしまいました(笑)。  

マンガは小説のコミカライズのようで、こちらを読んでから小説も購入(笑)。

 

 

 

デビュー作とは思えない筆力

著者の顎木 あくみさんはなろう系出身で今作がデビュー作ということですが、自分よがりなノリの部分や癖がなく、大変読み易く好感の持てる文章。

また世界観やキャラクター設定もしっかりしており、背景や感情などの描写もとても丁寧で分かりやすく、自然に物語に引き込まれてしまいます。

正直これがデビュー作?と驚いてしまったほど筆力があり、すでに活躍されている作家さんかと勘違いをしてしまいました。

 

あらすじ

舞台は、明治・大正時代の日本。

異能と呼ばれる能力を持った一族に生まれた美世は、異能の能力に恵まれなかったため、家族から使用人以下の扱いを受けて育ちます。

そんな美世に名家中の名家である久堂家から縁談が。

当主の清霞は、数ある縁談が全て破談になるほどの冷酷無慈悲として知られていますが、実際はある理由によりそう振舞っていた様子。

そうして久堂家に嫁ぐことになった美世の運命の輪が回りはじめます。

 

見どころと今後の期待

こういう小公女っぽい設定は今では珍しくないですが、儚く生気の乏しいヒロインをとにかく応援したくなるストーリー。

過酷な生い立ちゆえに自尊心が極度に欠落してしまった美世が、清霞の婚約者となることで、段々と生きる気力が宿っていき、徐々に清霞に惹かれていく過程に引き込まれていきます。

また冷酷無慈悲と噂される清霞が、きちんと美世の生い立ちや現状を認識し、その上で美世を受け入れていく様子に心惹かれました。

 

ただ、清霞が割とあっさり美世を受け入れたのがちょっと気になったかも。。

もうちょっとじらしてくれてもよかったのでは?とも思ったのですが、先を読み進めていくとこのタイミングで丁度いいかもしれません。 

 

美世を過酷な生活に追い込んだ張本人として継母と異母妹が挙げられるのですが、これがまたわかりやすいほどの悪役。

美世が実家にいた頃から陰湿なイジメや嫌がらせを繰り返し、美世が縁談で出て行ってからもとある出来事をキッカケに常識を超えた嫌がらせをしてきます。

このゲス家族が、清霞にコテンパンにやられる展開は読んでいてとてもスカッとして大変気持ちよかったです。

 

1巻では、まだ美世の異能が覚醒していません。

これから美世の異能がどのように顕現し、そして物語がどう展開していくのか。

また美世と清霞との関係性にも注目したいところ。

続刊が非常に楽しみです。