オトメイトの新ブランドQuin Rose rebornから発売される初のタイトル「スペードの国のアリス」。
私は残念ながらこのシリーズは初めてであり、またQuin Rose rebornの第1弾タイトルということもあり、どんな物語かとても楽しみにしていました。
今回はそんな「スペードの国のアリス」体験版の感想です。
ストーリー
まず思ったのは、コメディ色の強いシナリオだな、という事。
結構な頻度で入るツッコミでは、キャラクターのセリフの文字が大きくなるなど、この手のシナリオに慣れていない私には戸惑いもありました。
それにこの世界の引っ越しなどの理についても、理解が追いつかない。
とにかく「はぁなるほどややこしいな」と、正直付いていけるかな?という心配が。。
でもそれも始めのうちだけ。
ストーリーを進めていくと、コメディタッチのシナリオも現実離れした出来事も、素直に受け入れて楽しんでいました。
それに記憶喪失(最近やけに記憶喪失系のゲームを続けてプレイしている私ですが)のアリスが、現実的な考えや常識を持ったしっかりした女の子であることもわかり、好感が持てました。
そんな印象を持ったこのゲームの冒頭は、スタイリッシュでノリの良いオープニングから開始。
ついついこの世界に惹き込まれます。
湖に落ちて溺れていた所をルイスに救われ、湖面から発車する汽車に乗り込むまでは、随分慌ただしい展開。
汽車で見た夢の中ではナイトメアやボリスに会い、先にも述べたこの世界についての説明がなされます。
そして「白の領土」に連れて来られたアリス。
かなり危ない思考のルイスに比べ、常識人に見える教皇のクインですが、優しげな見た目に反してあからさまにアリスの滞在を迷惑がる姿が、ギャップがあって気に入りました。
それにクインは、この国の領土と滞在地について丁寧に説明してくれましたしね。
そうして失った記憶と共に、各領土を一通り巡りながら滞在地を決める事にしたアリス。
不思議な雰囲気のジョーカーに会ったあと、まず最初に訪れたのは「黒の領土」。
ここではエースとハンニバルに会いましたが、今は間が悪いとのことで滞在出来ないとのこと。
今回の攻略対象ではないですから仕方ないですね。
フラフラしてるエースとは対照的な強面のハンニバルの意外な一面には、思わず癒やされました(笑)。
次は「帽子屋屋敷」。
ダムとディーの双子にはかなり危うさがあり、本当にこの二人と恋愛なんて出来るの?と疑問が。
エリオットは感情が耳に出るのが本当に素直で可愛いですね。
でもやっぱり気になるのはブラッド。
物静かな佇まいと気怠い話し方のイケメンに、心惹かれてしまいました(笑)。
また「駅」では夢の中で会ったボリスとナイトメアと再会。
グレイはこの世界では数少ない常識人のようで、気遣いも出来るのに苦労人なのが気の毒でしたね。。。
それにボリスのどこでもドアのような能力が羨ましかった。
でも血を吐く駅長と事故が日常茶飯事の駅って一体・・・。
ただ、知り合いに会う度に相手が親しく接してくれるのに、思い出せないのは歯がゆいですよね。。。
何だか相手に申し訳ないし。
そうしてまたジョーカーに会った後、今度はハンニバルに連れられ帽子屋ファミリーとの会合の場へ。
ここでも賑やかな会話があるのですが、アリスが皆に好かれているのが見て取れます。
そして滞在先の選択。
一応セーブデータを取っておいてから、私は「帽子屋屋敷」を選びました。
ここで体験版は終了し、製品版に引き継がれます。
システム
基本的な操作は通常のオトメイト作品と同じだと思います。
クイックセーブやロード、辞書などの操作も同じ。
青を基調としたデザインがこの世界観に合っていますし、機能性も問題なく、特に戸惑うことはありませんでした。
ただステータス画面の個別画面から、RボタンやLボタンで直接他のキャラクターへ移動出来ないのは少し不便を感じることも。
ステータス画面自体は、LRボタンだけではなく、左右の矢印ボタンでもスクロール出来ます。
と、ここで何気にステータス画面を見ていて、ふとした事に気が付きました。
好感度は分かるのですが、責任感って何?
公式サイトには「物語の分岐に影響」ってありましたが、上げれば良いという物でも無いのかな?と思い、過去作をネットで検索してみたところ、どうやらこれもエンディングに関係あるようですね。。
体験版は製品版に引き継ぎ可能なので、試しに責任感0%のものと、ある程度上げたものを用意しておく事にしました。
また人物や背景などのビジュアルは美麗で安定感があります。
ですがキャラクターデザインには、好みが分かれるかなという印象も。
男性陣はともかく、アリスのキャラクターデザインが私には幼く見えてしまいました。。
何となくアリスの外見とセリフの内容に違和感があるような・・・。
すごく可愛い女の子にしか見えないのに、割としっかりした意見やツッコミなど似合わない気がしてしまったのです。。
もちろんあくまで私の印象ですので、気に入っている方には本当にすみません。。
糖度
ここまででは、ほぼ全くと言っていいほど、糖度は低いというか無かったような気がします。
どちらかというと、シリーズ前作と今作の繋がりのチュートリアルのような感じでしたから、仕方ない気も。
もちろん前作からのキャラクターは、アリスに対して好意を持ってくれているようですが、糖度までには届かない感じがしました。
糖度に関しては今後に期待でしょうか。
まとめ
一通り全ての領土を訪れたのですが、皆個性的で一癖も二癖もある人物ばかり。
これがコメディタッチのゲームと言われれば納得なのですが、本当に恋愛するの?出来るの?という興味が強くなりました。
またファンタジーの世界らしい、様々なものが目まぐるしく変化する様子を面白く眺めることができました。
役持ちと言われる顔がハッキリ見える人達と、見えない顔なしと言われる人々。
役持ちが普通に武器を持ち、振るわれる暴力。
昼の次に突然夜になるような時間の変化。
こんな世界を、過去のアリスは選んできたという理由も知りたくなりますね。
ジョーカーの言う、この世界で行われているというゲームそのものについても同様に知りたくなります。
体験版は、前作との関係性や、この世界の理について説明するチュートリアルの様な部分に感じましたが、それでもボリュームは結構あるなと感じました。
特に私のようにシリーズ初体験の方には、必要な前振りかと。
シリーズ経験者の方には、おさらいと新たな国での役の確認になるのでしょうか?
ただ、シリアスな物語が好きな方には、向かないかもしれません。。
体験版をプレイした感じでは、どちらかというとコメディ色が強い作品だと思いましたので。。
もし少しでもこのゲームが気になった方は、まず体験版をプレイする事をおすすめします。
百聞は一見にしかずって言いますしね。
©2021 IDEA FACTORY